2006年 05月 13日
7月7日七夕の日。 本日の空間計画学は、長崎県佐世保市からゲストを迎えての特別講義であった。 『佐世保市のアーバンデザイン-地域の特性と大規模事業のデザイン調整-』と銘打って 講師の西脇敏夫氏(都市デザイナー/前佐世保市理事/元横浜市理事)が 横浜とは同じ港町だが性格の異なった佐世保を自身の経験を織り交ぜながら紹介してくださった。 約2時間近い講義に空間計画学受講生の他に他専攻や本郷からも聴講にくる学生も居て 皆話とスライドに集中しつつ、まだ見ぬまちに様々な感想を持つこととなった。 長崎県佐世保市はJR最西端の駅がある日本最西端のまちで、周りを緑の山と海に囲まれた 谷戸のまちである。人口25万人(横浜:356万人)明治時代にリアス式海岸の入り組んだ特長に目をつけられ、軍港のまちとなり、人が集まってくるようになった。 横浜に見られる赤レンガ倉庫も多数存在しするが、軍の施設ということもあり一般市民に開かれた港が非常に少ない。 駅周辺は区画整理により川とアーケードと道路が平行して市役所に向かって きれいなグリッド状をなしている。 最近ではインフラ面や県民文化ホール(アルカスSASEBO)等の大型公共開発事業が多数行われており、海と市街地を空間的に隔ててしまうのではないかという心配を通常以上の高架化により解決を試みた高速道路高架化も問題化されている。 西脇氏は他の地方都市にも見られる大規模店の郊外地出店や、公共事業が止められない訳など分かりやすく丁寧に説明してくださった。 特に印象に残った点は前述した高速道路建設にあたり、工事が着々と進む中で市民がそのことについて初めて知り、反対運動も何も、工事が止められない状況になっていることだ。 地方自治体は市のたより等の方法で市民に知らせているのだが、市民が見ていなければ 知らせていないのと同じ現象が起こり得る。ここに紙面に載せたことで説明責任を果たしたとする行政側や、まちに十分な関心を当時向けていなかった、または見逃した・紙面が分かりずらいなどで情報を得られなかった市民の問題が浮き彫りにされた。 忙しい現代人に情報をいきわたらせることはどこか難しいことだと個人的には思う。 しかし、だからといって『知らない・聞いていなかった』で済まされ無いことも多くあることは 誰しも感じたことがあるはずだ。 双方に改善できる点があるように思われるのは私だけではないだろう。 最後に西脇氏の挙げる、アーバンデザインの求めるものとは... 都市空間の魅力と個性、市民生活の快適性 だそうだ。 高速道路のICが高等学校の全敷地上に計画される案を市民の立場に立ち、 解決案を例示してくれるようなアーバンデザイナーの登場やその後にも 興味を惹かれる時間であった。 西脇敏夫様、本当にありがとうございました。 写真協力:佐世保市観光局HP http://www.sasebo99.com/
by kitazawalab
| 2006-05-13 01:45
| 空間計画学(柏 金3)
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